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山に行こう

上高地へ下山してきて、散策路をバス停へ向かっていると、逆からく る観光客と、いやでもすれ違います。だいたいが、山なんか登って面 白いの?って、いう、顔をしているように見えるのですが、まあ、当 たらずとも遠からず、というところでしょう。

よく、登山を称して、3K(きつい、きたない、きけん)などと言わ れていて、それがまたこの妙ちくりんに人口が多い日本で、登山人口 がそれに比して多くない、という、ありがたい恩恵にあずかれる理由 でもありますが、これもまた、国民の大多数が思っているところかと 思います。

さて、こんな場末のホームページを、覗きにきて、しかもわざわざこ んなページを開いた人は、それなりに登山に興味がある人でしょうか ら、嘘は申しません。こんな文章を読んで、やっぱり山へ行ってみた い、という方がいたら、いつの日かご一緒しましょう。

世間で言われているところの、3Kは、はっきりいいます。事実です!

まず、「きつい」ですが、たとえばテニスを2時間やると、消費カロリー は、およそ800kcal。水泳2時間なら1000kcal。まあ、まず2 時間泳ぎっぱなし、というのは、強烈です。世間で言うところの、「き つい」部類には十分入りますよね。
マラソンなら、3000kcal。さすが、きついスポーツだけあって、消 費カロリーも大きい。じゃあ、登山は、というと、 1日行動して4000kcal以上。1泊2日で10000kcalも、夢 ではない。これが「きつい」ではなくて、何がきつい、というのだ!

登山の本質は、運動時間が極めて長い。1日の行動時間が6時間、など というのはざらで、8時間以上歩きつづけることもある。要するに、貴 方が、苦しくない範囲で気持ちよく歩いて、山から下りてくると、マラ ソンで消費されるエネルギー以上のエネルギーが消費されていることに なる。
そして、この運動、体に強い負担がかからない。ゴルフなんかだと、ショッ トのときに瞬発力が必要なんで、結構突然死しちゃった、という話もあ りますが、登山の場合は運動量を時間で稼いでいるので、基本的にそう いうことがない。競争ではないんで、自分のペースに合わせて歩けば良 いわけだから、苦しくなればペースを落とせば良い。

さあ、いかがわしい薬の広告並に、運動不足解消や、ダイエット、成人 病予防に効果がありそうな、気がしてきましたか?
私の場合は、かなり強い痩せ型で体脂肪率も1桁台なので、山へ行くと 2,3日は空腹に苦しめられて、1日4食になったりします。

勿論、運動量は多いから、下山した後の充実感も大きいし、なによりも 下山後の温泉とビールは、もうこの世のものとは思えない。朝から仕事 もせんで飲んでいるビールより、1日忙しく仕事をして帰ってきたあと のビールがうまいのと、同じ理屈。サウナと同じで、頑張って出てきた 後の一杯はまた格別だったりして、だから登山はやめられない。オート キャンプでビール飲んだって、そりゃ自然の中で飲むビールは一味違う けど、それ以上のものは得られない。

次に、「きけん」ですが、世の中、危険なものほど面白くできているん ですね。世の中に、どんな操作をしても綺麗と曲がってくれる車があれ ば誰も車を趣味にしたりはしないし、絶対転ばないスキーがあったら、 誰もゲレンデでスキーなんかしようと思わないし、絶対負けない博打が あったら、誰も目の色変えてやったりはしない。 アウトドア、というのは、やっぱり、その「自然にいる」というリスク、 たとえばテントを設営して雨露を凌ぐことであるとか、粉口を満たすこ とを、いかにうまく自分の英知で充足していくか、というのが本質なん ですね。それが最も先鋭的に出るのが登山であって、だから、うまくいっ たときの充足は、僕はアウトドアモノでは登山が一番大きいと思います ね。
登山にもいろいろ種類があって、岩登り、沢登り、冬山、と、なってく ると、やっぱり危険性は強くなるけれども、ただ、妥当な装備を持った 上で夏山の登山道を歩くのであれば、命を脅かされるようなことは、ま ずほとんどないといっていいでしょう。登山道を歩くよりそのへんの道 を歩いたほうが余程危険です。

私は20代なのでよくわからないのですが、20年くらい前に登山ブー ムがあって、その頃はまた遭難ブームでもあったんですね。で、悲惨な 事故が多くて、それで登山=危険、と、なってしまったのですが、その 内訳をきちんと見ていくと、冬山とか岩登りとかが大半で、しかも、そ の実態は無謀、と思われる案件がいくつもあります。今ならヘリで助け られるような案件も、当時は手の施しようがなかったものもあります。

たとえば、自動車を運転する、となると、免許が(を取れる程度の知識 は、最低限)必要なわけです。免許も持たないで運転すれば、事故が起 きるのは明白です。(とも言えないのだが、世間での合意はそういうこ とになっているので、そういうことにしておこう)
登山も、それに似たようなところがあって、準備不足や無知で登ったり すれば、かなり危険です。でも、その危険性の大部分は、きちんとした 装備を持って、ちゃんと勉強した上で登れば、回避することができます。

但し、100%危険性を回避することは、やっぱりできない。
だから、そのリスクを、やっぱり甘受できない、という人には、登山は おすすめできない。でも、自宅に飛行機が落ちてくる可能性も0ではな いし、町中を歩いていて頭の上に植木鉢が落ちてくる可能性も0ではな いし、銀行に行ったら銀行強盗が入ってきて、人質に取られる可能性も 0ではない。ゴルフ中に突然死する可能性も、決して0ではない。

最後に、「きたない」・・・ですが、
まあ、土遊びしにいくわけだから、決して、奇麗だとはいえないけれど も、自然の中に入るのに、都会並の病的な清潔を求めるのは、やっぱり ヘンでしょ。
その基準が、やっぱり下界の生活に置かれれば、きたない、というのは、 かなり事実に近いのかもしれない。
それ以上は、私は書かないけど、本人の気遣いのしようによって、自然 の中にふさわしい程度には、奇麗にしていることもできるし、まあ、汚 くしていることもできる(笑)それなりにおしゃれな格好で登っている 人も最近増えているし、だから、これは結局のところ、登山云々ではな く、その人の個人の問題に帰結するのではないでしょうか。

さて、山なんか登って、面白いの?であるが、こればっかりは、登って みないとわかんないと思う。
上高地の、観光客むけの散策路から見えるものと、それなりに頑張って 山上から見えるものは、もう、全然違う。天と地ほども違う。ここが天 国かあ、と思う位違う。んだから、麻薬のごとく、やめられなくなっちゃ うんですね。

1つには、すべて自分の判断で物事を進め、1つのことを達成する機会、 というのは、近年ますます得られにくくなっている。登山の場合は、自 由自在にルートを決めて、それに対して計画を作り上げていく楽しみも あるし、その判断如何によっては、相応の不利益を受ける可能性もある わけだから、正しい判断をしてうまくいったときの喜びもひとしお。

1つには、我々は、どんなに破壊と荒廃を繰り返して都会化しても、結 局土を離れては生きられない。本物の自然が残されている場所は、今は きわめて限られているし、その自然の、厳しい方の面を見せてくれる場 所、というのは、より限られている。

ところで、貴方は、星空を見たことがあるだろうか。もしくは、烏以外 の鳥の鳴き声を聞いたことがあるだろうか。
いずれもある、という方は、かなり恵まれているに違いない。私の所は、 夜通し照明で照らされて星は見えない。鳥の生息できるような場所もな い。勿論、裏庭からタケノコやワラビや、キノコが生えてくることもない。 こんなものを見たくなったら、迷わず山だ。

写真 この日はあいにくの天気だったが、シカと遭遇。

シカは基本的に平地の生き物で今生き残っているのは生活圏を追われたもの。場所により絶滅の危機に瀕している、ということも承知しておいてほしい。
エサを与えるのは、ご法度だ。

(実際に山にいってみたい)

私は、
>登山も、それに似たようなところがあって、準備不足や無知で登ったり すれば、かなり危険です。
と、書きました。山に行くには、ちょっとした準備と知識が必要です。じゃあ、その、準備や知識とやらは?これは、追って別の項で書きたいと思います。

(登山とハイキングは違うのか)

こと海外では、ハイカーは登山道へは入っていかない。厳密な境界線がある、といいますが、日本の場合、登山とハイキングと、ややもすると観光も含めて、その分水嶺はきわめて曖昧です。貴方がハイキングのつもりで登っている山でも、実際には登山の領域に属することもあるし、逆もある。ハイキングなら安全か、というと、こと日本の場合には、ハイキングと夏山登山に、本質的な差異はない、と、いっていいと思います。あえて言うならば、登頂(ピークハント)を第一義とするのが登山であり、登頂に重きを置かないのがハイキング、と言えるかと思います。

だいたい、夏の富士山で、登山者は死なない。死ぬのは大抵観光客。登山のつもりで入ってきた人は、雨にうたれて風に吹かれれば最悪凍死することを、ちゃんと知っていて、だから、雨具をもってきている。サンダルばきだったり、ハイヒールにスカートだったりする観光客が、少しばかり雨に打たれて、あとは動けなくなっちゃう。富士山は、簡単に登れるようでいて、やっぱり登山者の領域なんですね。

私は、あえて「登山」という言葉を使っていますが、ハイキングとは、ほとんど区別していません。ハイキングの場合でも技術的に差異がないですし、ほとんど同じ技術が必要、かつ、同じ技術で通用する、と思ってます。ですので、ハイカーの方も、目を通されて無為ではないのではないか、と思います。

(登山はスポーツか)

これも結論が出ない言葉ですが、登山は、「スポーツ」というよりは、やっぱり「運動」だと、僕は思いますけどね(笑)
(2001.2.8)

(2015.5.7 13:39)(by script)




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