サイトマップ | 更新停止のご案内 | このサイトについて


   

尾根に乗っているかのっていないか


この項では、ちょっとハイグレードな読図に関して、いくつかのヒントを出してみたいと思います。
こちらの項は、初歩的な読図ができる。地図を見てあるていど立体に直すことができる、ということを前提にお話を進めさせていただきます。初歩的な読図については、別の項で将来(秋口位には・・・注:これを書いている今は冬です)記述したいと思います。

これから登山をはじめて見たい、という方は、こちらの項は少々難解かと思いますが、これを知らないと山に登れないわけではありません。ただ、登山道以外の所も歩く、もしくは登山道が雪で消えてしまった、もしくは道に迷った、といった、テクニカルな場面できっと大きな力になってくれるようなことを、何回かにわけて記載していきたいと思います。



恐らく、地図を見るといったとき、大抵の人は赤線、つまり、登山道を追って、1時間位歩いたからそろそろ分岐、と、そんな感じで地図を読んでいると思います。ところが、登山道を追う地図読み、というのは、自分が登山道にいることが大前提になります。もし、自分が登山道を外れていたとしたらどうでしょう。踏み跡が薄かったら?


その瞬間、全ての目印が消失して、貴方は完全な闇の中に放り出されるのです。登山道を外れた瞬間、道迷いになってしまう。目印がないから、あてもなくさまよってもとの登山道に戻るのは運次第、ということになります。
もし、方向の違う別の登山道を歩いていたら、道だけが唯一の頼りでは、自分が間違ったことに道標が出てくるまで気づかないのです。戻るとしてもその体力は?時間はどうでしょう。日没までに下山できますか?
もし山の中で一夜を明かすとして、翌日の仕事は?捜索隊が出たらどうします?

道だけが頼りの地図読み、というのは、ちょっとしたことで、大きな傷を負わなければなりません。

踏み跡の明瞭で道標もしっかり整備されている山、というのは、そういった地図読みでも、事足ります。ところが、冬山では登山道自体が雪に埋もれてしまい、どこが登山道かわからないことがあります。藪こぎ、沢登りではそもそも登山道を歩きません。

こういった場所へ踏み込むためには、もっと、根本的に地図の読み方を変えていかなければなりません。
即ち、「道」を読むのではなく、「地形」から自分のいる場所を読む、ということが必要になってきます。自分のいる位置が具体的にわかれば、登山道を外れても、本来の登山道はあっち、という具合に、確信をもってもとの道に戻ることができます(そもそも登山道を外れること自体が格段に少なくなります)

まず、読図のヒントとしては、最初に、道ではなく「地形を読む」ということをテーマにしてみたいと思います。

さて、地形を読むにあたって、できるだけわかりやすい所からいきましょう。

まず記念すべき1回目ということで、
この回で考えてみたいテーマは、「尾根に乗っているかのっていないか」、という問題です。

その前に、地図上で尾根が読み取れるかどうか、確かめてみましょう。
ちょっと嘘っぽい等高線ですが、僕が手書きで書いたものなのでご容赦。

写真

さて、この地図において、一応左のほうが標高が高い、と思ってください。尾根はどこかといいますと、
尾根というのは、要するに一番等高線の出っ張ったところを繋いでいったものなので、尾根は次のよう
になります。
写真

この、茶色いところが尾根です。ここまでは何の問題もなく理解できますよね。もし、これでどこが尾根かわからなかったようでしたら、焦らずに一旦読図の初歩に戻って、しっかりとした基礎を身につけてもう1度チャレンジしてもらったほうが理解が早いと思います。

で、尾根に乗る、というのは、この、尾根の真上を歩いている状態です。どうして尾根に乗るか乗らないかが問題かといいますと、尾根に乗っているかのっていないか、というのは、簡単にわかるからなんです。
つまり、回りの特徴を見て、自分が尾根に乗っている、ということがわかれば、少なくとも地図上に書かれている尾根のどこかにいるわけです。自分が尾根に乗っていなければ、少なくとも地図上の尾根の上には自分はいない。

これだけでも、かなり自分のいる位置が特定できるような気がしませんか?
気がしてきましたよね?その気になってください。
尾根筋についているルートなら、これでほとんど事足りてしまいます。なぜなら、
尾根筋についているルートを辿る場合、尾根にのって、尾根を忠実に辿ればいいのですから。

さて、それでは肝心の、自分が尾根に乗っている状態ですが、これは、要するに、右にも左にも自分より高い場所がない、ということです。自分の左側を見て、下の方へ向かっている。右の方も下へ向かっている。これが、尾根に乗った状態です。

但し、(ご存知かとは思いますが)同じ「右にも左にも自分より高い場所がない」状態でも、右も左もまったいら、というのは、尾根ではなくて斜面にいる状態ですのでお間違いないよう。

逆に、たとえば右の方が自分よりも高くなっている、とすれば、尾根の左側にいることになります。左の方が自分よりも高ければ、尾根の右側にいる。

このことをもう少し仔細に検討してみましょう。
たとえば、ちょっと嘘くさいルートですが、赤い線のように登山道がついていたとします。
写真

とりあえずこの地図を仮に5万図(5万分の1の登山地図)とします。
この場合、等高線の間隔は20mなので、登山口から1の地点まで、だいたい100mのぼります。標高差で100m、というのは、だいたい15分ないし20分、と覚えてください。覚えてください。よほど距離が長くない限り、あまり斜度には関係なく、時速300〜400mが普通の人のペースです。

で、登山口をくぐって、20分内外までは、斜面を登ってますよね。要するに、左と右とが自分とほぼ同じ高さです。ずっと斜面を登っていって、20分位すると、尾根にのっかります。このときは、左と右とが自分よりも低いですから、あ、自分は今1と2の間を歩いているんだな、ということがはっきりします。
(この地図の場合は、尾根を見なくても左にはっきり道が折れていますから、それでわかってしまいますが(笑))

さて、1から2の間は、楽しい稜線歩きです。ところが、2で尾根を外れます。1と2との間は40mですから、7〜8分です。

まず、2のところで、あ、尾根を外れた、と、気づくことが第一の目標です。次の目標は、1のところで、7〜8分歩いたら尾根を外れるぞ、と、予測が立てられることです。
もし作業道や獣道にはいってしまっても、尾根を外れなければ(もしくは外れる向きが逆なら)あ、これはおかしい、ということに気づきますよね。

道に迷わないための、最後の砦は、可能な限り早く「あ、これはおかしい」と、思うことです。そのためには、可能な限り自分がいる場所を特定できる情報を集めて、地図と照合していかなければなりません。

2と3の間では等高線に沿って歩いていますから、高さは変わりません。トラバースです。そして、3で再び斜面をあがって尾根に向かいます。

昔、自分の歩いた地図を引っ張り出して、地図を見ながら頭の中で登ってみてください。たとえば雲取山の鴨沢からのルート。最初は左に尾根を見ながら歩きます。尾根にのっかれば、もうすぐ堂所です。尾根を左へ外れたら、あ、だいたい分岐との中間くらいまできたな、ということが予測できます。

まず、ここから「地形を読む」ということに、慣れてください。
さて、次の「自分がいる場所を知るための手がかりは?」

それを見る前に、ちょっと遠回りしまして、地形、というもの自体を、何回かにわけて少し見ていきたいと思います。

(2015.5.7 13:39)(by script)




更新)


mixiチェック

mailto:mailaddress

tozan.net - http://tozan.net