サイトマップ | 更新停止のご案内 | このサイトについて


   

不時露営


不時露営、というのは、要するに予定通り目的地まで行けず/下 山できず、山中で(予定外の理由で)一夜を明かすことです。一 般に外来語で、フォースト・ビバークといわれているものです。

予め申し上げておきますと、僕は不時露営の経験がありません。 フォーカスト・ビバークの経験はありますが、ビバークというよ りはただの「おかん」だったので、ここでは数えません。
従いまして、本当は僕が不時露営を語るのは少々無責任な面もあ りますが、その点はご容赦いただきまして、書籍や遭難者の証言 などをもとに、いくつかの不時露営のための技術をつらつらと挙 げてみたいと思います。
無雪期ならば、知識として知っていれば実践的技能はなくても、 うまくきりぬけられると思います。積雪期の不時露営は、僕の場 末のサイトでなく、きちんとした山岳団体の指導を受けてもらえ ば、と思います。

まず、不時露営をするにあたって、不時露営をするのか、多少日 没を過ぎても強行下山をするのか、ということを考えなければな りません。これは、一般的にメンバーの力量、体力や気力、ダメー ジ(負傷者などがいる場合。容態なども考慮に入れる)などを総 合的に勘案して、リーダーが判断を下すことです。本来あっては ならないことですが、ビバークに堪えるだけの装備があるかない か、というのも相応の判断材料になるかと思います。

不時露営をする、ということは、すでに遭難、もしくは遭難の1 歩手前の状況ですから、判断をするにあたっては、メンバーの力 量を絶対に過大評価してはいけません。ここでのミスは最悪致命 的結果になる虞さえあります。また、仕事の都合、といったこと に判断を歪めることなく、まずは生きて帰ることを最優先するこ とです。無理に下山を強行して、最悪の結果になってしまった例 は枚挙に暇がありません。道迷いでもない限りは、落ち着いて朝 を待ち、翌日行動すれば、まず無事に下山できます。無理してつっ こむことは、余程自信がない限りは避けるべきです。

不時露営をする、と決めた場合、まずは明るいうちに安全な場所 を確保します。雨風が凌げて、落石や増水などの危険がない場所 があったら、そこを不時露営の場所と決めて、さっさとサイトを 作ってしまうことです。
いけるところまで行きたいのが人情ですが、これはよくありませ ん。日没過ぎにサイトを決めて、朝起きてみたら崖下だった、と いう話もあります。

不時露営のポイントは、主に雨と風と寒さを凌ぐことで、晴れて いる場合は露営はかなり楽になります。(逆に言えば、雨の日の ビバークは辛いよ、ということです)
手段としてはいろいろありますが、上の3点を充足する可能な限 りのことを考えてみるべきです。
安全な風下の岩陰があれば風はかなり防げますし、森の中なら雨 もかなり防げることでしょう。木などを寄せ集めて屋根を作るこ とも考えられます。遭難に限りなく近い状況ですので、可能なら たき火も考えるべきです。

次に考えるのは、精神的に不時露営は辛いですので、これを克服 することです。食料があれば口にして、あとはさっさと寝ること です。あまりあれこれ考えても無駄なので、それよりも明日行動 するための体力を温存することに注力するほうが賢明です。ウト ウトしているだけでも全然違います。

非常用の装備ですが、無雪期でツェルトがあれば最善でしょう。 できるだけ空気の層を作るように張れれば、ほとんどテントと同 じ位の楽なビバークになります。おそらく防寒具なども持ってい るでしょうから、あるものは全部着込んで、ザックに足をつっこ む、もしくは床下にひいて地面の冷気を避けるようにすればよい でしょう。首回り、足先などの保温をしっかりすることです。 ろうそくやメタの類があれば火をつけるとさらに暖かく過ごせる と思います。

ツェルトがない場合は、シュラフカバー、サバイバルシートの類 で一夜を明かしますが、ツェルトがある場合に比べると条件は厳 しくなります。できる限り空気が対流しない空間を作るのが、寒 さ対策の第一歩ですから、ビニールシートの類があれば、それを 利用してテント状に空間を確保すると良いと思います。もし草の 類が利用できるようなら下の土との間に草などで空気の層を作っ て地面の冷気を避けることです。シュラフカバーの中にありった けの衣類を入れ、雨具などを利用して雨を避けます。たき火が可 能ならストーブ(バーナー)などを使って火をつけて火種にします。

さらにシュラフカバーもない、ということになりますと、状況は 極めて過酷、といわざるを得ません。雨具と防寒具があれば、初 夏〜秋口の低山位ならなんとか凌げることでしょうが、雨具もな い、という状況で一夜を明かすのは、困難を極めることでしょう。

勿論、可能な限り手を尽くすことも大事だが、山へ入る以上最低 限シュラフカバーか、ビニールシート位は持っていたいものです。 春早い時期、秋遅い時期ならさほど高くない山でもツェルトは持っ ているべきです。そして、非常食、予備食。燃料も余裕を持つこと。

救助する側としては、折角色々持っているのに、最善が尽くされ ていない、という意見もあります。乾いた服がザックに入ってい るのに使われなかった、というのはまだかわいい方です。なす術 もなく死んでしまった人もいます。
ピンチになったら、自分の装備を最大限利用して、できるだけ安 全かつ快適に一夜を明かして、翌日無事下山することを考えるよ うにすべきです。

そして、最後に忘れていけないのは、下山予定日を過ぎてしまっ た場合、翌日の午前中までには連絡をとることです。翌日の日没 間近になって連絡が取れなければ、捜索が出ても文句は言えない と心得るべきです。

(2015.5.7 13:39)(by script)




更新)


mixiチェック

mailto:mailaddress

tozan.net - http://tozan.net