サイトマップ | 更新停止のご案内 | このサイトについて


   

登山地図と地形図のチガイ


よく、「登山地図ではなく地形図を見るべきだ」と、言う人がおります。僕はこの意見に諸手を上げて賛成することはしませんが、充分傾聴に値する意見だと思います。
登山地図で充分、と言っている方には、残念ながら、ちゃんと地形図と登山地図とを見比べられた方は少ないのではないでしょうか。ここでは、お時間をちょいと頂きまして、登山地図と地形図について、ちょっと深い考察をしてみたいと思います。
写真 こちらは地形図です。
ちょっとこの図からはどちらが上か、というのは、ある法則を知らないと特定しづらいかと思いますが、AからBの方へ向かって登ります。

AからBまで歩いても1時間はかからない距離なのですが、よく見ていただきますと、aからgまで、これだけ「現在地をはっきりと特定できる」ポイントというのがあるんですね。

aの位置では、登山道が下っています。等高線で1本以上下ってますから、15〜20mは下っていると見ていいでしょう。これだけ下っていれば、はっきりと認識できるはずです。
bの位置から登山道は急な登りに変化しています。実際現地でもこの登りの傾斜の変化は明らかにわかるレベルでした。そして、登りきった位置=cとdの大日如来は2〜3分しか離れていません。d〜eも5分程度。ここで急な登りに変わって、fの位置で切り立ったガケの直下へ出ます。そして、gの位置で沢を横切り、Bに到着します。
地形図においては、わずか40分ばかりの距離で、7回も自分のいる位置の確認ポイントがあります。これを1つ1つ丹念に確認していけば、道を迷うことはちょっと考えにくい。
写真 こちらが同じ場所の登山地図ですが、まずこれを見て地形がどうなっているのか、わかりますでしょうか?
言われてみればaの位置で登山道は下ってますね。でも、この地図だけ見せられて、赤い太線の下に隠れた等高線まで読み取ることができるでしょうか。bの位置は問題ないにしても、大日如来では位置確認ができません。逆に避難小屋は、この地図を見てしまったら「登山道沿いにある」という認識をもってしまうことでしょう。dの分岐はともかくとして、eを自信を持って言い当てられますか?fは10m以上もトラバースする比較的大きな沢(というか、僕が行ったときは雪渓)ですが、この地図を見てそこまでわかるかなあ、というのが正直な印象です。
上の地図と比べてどうでしょうか。現地で地図を広げて(現地ではじめて地図を広げるということはないと思いますが)赤い線に惑わされずにちゃんと自分のいる位置を言い当てられますか?




写真 いきなりですが、左の地図を見てください。某NHKの取材班も迷ったことで有名な長塀尾根の一部です。この尾根を僕は残雪期のまったくトレースがついていないときに登りまして、長塀山付近で、気づいたらaの位置を登っていました。

左の地図は、2万5千分の1の、「地形図」です。aの位置に尾根があるのは、初歩的な読図力さえあれば納得してもらえると思います。そして、この位置を歩いているときに左側に尾根が見えたら、「道を外れている」ことと、「aの位置を歩いている」、ということはおそらくすぐに理解できるでしょう。そして、正しい登山道に戻るにはどこを歩けばいいのかも。


写真 そして、こちらが同じ場所の登山地図。よく見てください。右側にある筈の尾根がみあたりません。
この地図を持って、尾根が2箇所ある場所で迷ってみてください。まず自分の居場所さえ疑心暗鬼でしょう。

(2015.5.7 13:39)(by script)




更新)


mixiチェック

mailto:mailaddress

tozan.net - http://tozan.net