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甲武信小屋とつながった日

甲武信岳は日本の代表的な山としてはうちからもっとも近い山の1つで ある。丹沢は僕は日本を代表する山と考えていない。雲取山も近いが、 うちから行くにはどうも道が細くて時間がかかる。その、近いというこ とが、僕の登山史の中でもこれほど幸いしたことはないと思っている。

甲武信小屋とつながったのは、ホントに偶然だった。


はじめて甲武信岳をおとずれたときのことはよく覚えている。あのとき もゴールデンウィークだった。
正直、このときの印象はあまりいいものではなかった。まず最初に、山 には責任がないが、カメラの電池を切らしてしまうという失態をした。

早朝登って、午前9時頃小屋についた。カメラの電池を買いたかったの だがあいにく手に入らず、使い捨てカメラを手に入れた。やはり綺麗に は写らなかった。展望もひらけなかった。テントのつもりだったのだが、 時間も早かったので日帰りにすることにした。

下りに近丸新道をとったのだが、この道が結構荒れていた上に、途中で プチ道迷いをしてしまいます。これが決め手で、甲武信岳とはしばらく 縁はないな、と思っていました。もう時効だから書くけど、甲武信岳を これっぽっちもいい山だとは思わなかったのである。
そして、実際、それから2年ばかり間があきます。

その、縁がないな、と思った甲武信岳に、再び行く気になったのは、他 に行く山がなかったからなのである。

ある年の正月の山行で冬山初心者を連れていくことになった。アイゼン をつけるのがはじめて、というレベルなので、金峰山はちょっと心許な い。まあ、順当にいけば雲取山だ。だが、あのとき、雲取山を選んでい たら、甲武信小屋とつながることはなかった。

この山行に選んだのが甲武信岳だった。雲取は厳冬期に三峰からラッセ ルで登ったのが尾をひいていた。僕にとっては結構厳しい山という位置 づけだったのだ。一方、甲武信岳はGWにあっさり登っている。僕にとっ て、連れていくのに無理がないのは甲武信岳のほうだった。ただ、それ だけの理由だった。西沢渓谷から登って甲武信小屋でテント。そこで 「しこたま酒飲ましてやるから」とか言ってつかまって、その日は停滞 に変更して小屋にしたのだが、甲武信小屋だって何もなくて客に無尽に 酒を飲ませる小屋ではない。たまたま「翌日が」おおみそかでなければ この出会いはなかったし、たまたま連れに1日日程に余裕がなければこ の出会いはなかった。そして、たまたま連れの財布に小屋代金が入って なければ出会いはなかったのである。
さらに、そこにやっぱりひきこまれた人がもう1組いた。この人がいな ければ、それで終了だった。

うちは実家が新潟は寺泊で魚市場の近くである。酒のつまみにスルメが 出てくる段になって、これが軽くて山のつまみにはいちばんいい、とい う話になった。うちは目の前で安くてうまいスルメが売っている地であ る。酔っ払った勢いで「それじゃあ今度持ってくるぞ」と、約束した段 でだいたい運命は決まったといっていい。

要するに、ここでたまたまつまみにスルメが出てこなければ、酒飲まし てくれるいい小屋だ、で終了だったはずである。たまたま出てきたのが、 得意のスルメだったところで、運命の糸はつながった。

年があけて5月に約束を果たすために再び甲武信岳に登ったが、このと き僕の顔を覚えていてくれたのは、この「ひきこまれた1組」の人だっ た。このひきこまれた1組の人が、再び登ったときもいたわけである。 そして、この「ひきこまれた1組」を覚えていたのは、正月に同行して 今回も同行した一人だったのである。
偶然の再会と思っていたが、どうやら裏で内通があったらしい。まだ5 月で正月のこともよく覚えていてくれた。

この一件で、小屋の常連の仲間入りをすることになった。だが、この ときはまだ要するに「常連」でしかなかった。



(2015.5.7 12:3)(by script)




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