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9月後半の登頂の可能性

本題に入る前に、このサイトに「9月に登る方法はないだろうか」、と思ってやって きた人に申し上げておきます。9月10日頃までであれば、吉田口にあいている山小 屋もありますし、まだツアーを行っているところもあります。もし、9月10日まで に出発が間に合って、なおかつあきがあるツアーがあれば、ツアーに参加してくださ い。9月に登るつもりなら、それが一番確実です。

僕が見た一番遅いツアーは9月17日(実際には出発しなかったようですが)
ここが催行しておりました。
http://www.fujitozan.jp/tours/details_personal.htm

* * *

8月の後半くらいになると、決まって「9月には登れないでしょうか」と言い 出す人がいる。きっとお盆過ぎて思い立ったのでしょう。8月いっぱいは富士 登山のシーズンだし、たいして日が違わない9月でも登れるんじゃないか。

これに対する答えは明快です。思い立って登れるほど9月の富士山は甘くない のである。これが、富士登山サイトの一応のコンセンサスであり、僕のサイト でもこれを踏襲している。この答えにはゆるぎない。富士登山の難易度という ものは、8月最後の小屋閉めを境に、劇的に変化するのである。
(詳しい理由は別項で書いたので、ここでははしょります)

では、僕はどうなのか。僕は、もちろん9月に登ったことがあるし、そのとき はいわゆる「初心者」の部類に属する人(残念ながら、登頂経験はある)をつ れていってもいる。

おそらく、まわりまわってこのサイトを訪れてくれた人は、僕が「登れますよ」 と、回答してくれるのではないかと、一抹の期待を胸にやってきたのではない だろうか。しかし、答えは、Noである。

しかしながら、そう言っている僕は登っているし、現実に9月に登っている人 はけっこういるのである。万全の支度をして、実力で掴み取るのも山頂である とするならば、運と天の恵みに感謝して、たまたま登れた頂もまた山頂である。

またこんなことを書くと、富士登山サイトから総スカンを食ったり、2ちゃん ねるあたりで晒されたりしそうだが、ここで、僕は1つの基準を示したい。
ここまでやれば、9月後半の山頂アタックに、チャレンジする資格はあるだろう。 タイムリミットの日は、この10年もっとも条件のよい年で10月5日、もっ とも条件の悪い年は9月3日である。そして、1日1日、富士山の条件は厳し くなる。これから、貴方はこのタイムリミットを自分で判断しなければならな いのである。


よく聞いてほしい。これから示す条件を、かならず全て忠実に守ること。それ で山頂に立てるかどうかはわからないが、よほど予想外の事故がない限り、生 きて帰ってくることはできるはずである。しかし、この条件を何か端折ったり した結果は、僕にはわからない。

くれぐれも、9月の富士山は、大きなミスが時に文字通り命取りになることを 命じた上で、その上で自己責任で行動してもらいたい。

1)充電済みの携帯電話を持つこと。携帯電話は完全に充電した後電源を切り、
  防水のビニール袋に入れる。そして、ビニール袋の上からタオルで包むこと。
  携帯電話には、最寄の警察署の電話番号を登録しておくこと。

2)登山用品の店で、登山用の化繊下着を購入してそれを着用すること。必要
  なのは男性が3点、女性はブラが増えるので4点である。いわく、
  1.男性はブリーフまたはトランクス、女性であればショーツとブラ。
  2.長袖のシャツ。厚さがいろいろあるが、薄手のもので構わない。
    この類で厚手のものは−20度以下の冬山でずっと止まったまま
    写真撮影をするような用途で使うものなので、寒がりの人でも中
    厚程度のものにしておいた方が良い。    
  3.タイツ。これも薄手のものでいい。

3)雨具は登山用品の店で用意すること。ゴアテックスでなくとも構わないが、
  別項「富士登山の雨具考」で示した店員さん
  オススメクラスの雨具は必要である。

4)9月15日までの登山であればレジャーシートを、それ以降であれば登山用
  品の店で「ツェルト」という非常用の簡易テントと「ビバークシート」とい
  う銀色ないし金色の保温毛布を買い、持参すること。これが、万一の場合の
  保温と風除けになる。もし動けなくなった場合や下山路がわからなくなった
  場合、できるだけ風のよけられる安全な場所(石垣の下など)を確保してツェ
  ルトをかぶること。
  みぞれなど最悪の天候に捕まってなおかつツェルトが風でもっていかれると、
  非常に厳しい事態になる。非常時には絶対にツェルトを手から離さないこと。
  ツェルトは(3人くらいまでの)グループに1つあればいいが、それ以上持っ
  ていけない理由は何もない。ビバークシートは1人1つである。

5)万一予定通り下山できなくなった場合に備えて、一晩持ちこたえられる分の
  食料を余分に持参すること。できるだけ疲れていても喉を通る自分の好きな
  もので、なおかつ腹持ちの良いものがよい。

6)手袋は風にとばされた場合にそなえて2組用意すること。綿の軍手は不可で
  あり、毛かフリースのものを選ぶこと。

7)9月に入ったら毎日、ニュースをチェックすること。富士山に初冠雪があっ
  たら万事休すである。もはや初心者はおろか、普通の技量の登山者にも登る
  途は絶たれたものと心得る。初冠雪後は絶対に登ってはいけない。

8)登る日の前の日の午後に必ず最新の天気予報をチェックする。日本付近が高
  気圧に覆われて、天気予報が晴れないしは晴れ/曇りくらいであればアタッ
  クは可能であるが、1日中曇り、もしくは小雨でも雨マークがついた日は登
  るのは無理である。
  できれば、登山口でもう1度携帯電話で天気図がとれれば理想である。

9)登山口は9月15日までは富士宮口または吉田口を利用する。15日頃まで
  は吉田口上にあいている小屋がある(最終日は年によって違うが、ぎりぎり
  中旬に入るくらいまでは営業しているようだ)
  それ以降は富士宮口を利用すること。富士宮口は山頂から下山口が一番近い。
  ということは、何か悪天に捕まっても、比較的短時間で下山することが可能
  だからである。

10)ご来光とお鉢めぐりは諦めること。山にいる時間は1分でも短くしたい。山
  頂で時間待ちをしたり、1時間も山頂を巡ったりすることは得策ではない。
  天気に恵まれれば、剣が峰へ行くくらいはまあいいだろう。

11)体力の限界までがんばらない。休憩から休憩まで30分間、継続して行動で
  きずに途中で座り込むようになったら、それは下山のサインである。

12)雨、ないし雪が降り始めたら、どんなに山頂が近くても一目散に下山する
  こと。これは絶対である。下山してみたがたいして降らずに晴れてきた、と
  思ってもそれは結果論である。
  いいですか。目の前を別の人が登っていこうと、下山を決めたら下山するこ
  と。その人があなたと同じ技量とは限らないし、そうではない可能性の方が
  高いのです。世の中には真冬の富士山に登れる人もいますし、そうでなかっ
  たとしても、この時期に富士山の山の中にいる人はただモノではない可能性
  が大です。ひきかえすタイミングを逃してずるずると遭難してしまうのはあ
  りがちなパターンなのです。この、一番むずかしい判断を、初心者に委ねる
  ところがこの条件のあやうさです。すでに9月の登山という、1つ目の無理
  をしているのです。絶対に2つ目の無理はしてはいけません。

13)登頂日を9月10日以降に選ぶ場合は、1人で登るべきではない。たとえ
  ば途中で捻挫をした場合、2人なら相棒の肩を借りて下山できるかもしれな
  いが、1人では行動不能に陥る可能性もある。救助を待たなくてはならない
  が、場所によっては長時間その場で耐えなければならない可能性もある。

以上である。

念のため書いておくが、冬(はっきり、冬だと言ってしまっていい。富士山の9 月は冬である)に登ろうというのであるから、富士登山サイト(ないしは、一般 の夏向け富士登山ガイド本)に書かれていることは、ひととおり頭に入れておく 労を惜しんではならない。

9月上旬に登ってきたという初心者は実際にいるし、何度も見聞きしてきたが、 下旬に登ったという人は聞いたことがない。もっとも条件に恵まれた年でも、9 月20日くらいまでにとどめておくのが安全だろう。

なお、9月は天候に恵まれれば初心者にも登頂の機会はあるが、ひとたび荒れて しまえばそこそこ技量のある登山者にも登ることはできなくなる。6月上旬はそ こそこ技量があれば普通に登れるが、雪上技術がない初心者にはまったく無理である。

写真
さった峠からの富士山 1月


(2015.5.8 7:10)(by script)

(2015.5.8 9:2)(by script)




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