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高山病の対策と知識

★高山病の基本的な対策と知識


高山病、正確には高度障害、俗的には山酔いともいいますが、要するに高い山のよう な気圧の低いところへいきますと、体に様々な変化がおきます。ごく初期の症状とし ては心拍数があがったり、呼吸数が増えたりします。このへんですと自覚症状があり ませんが、3000mを超えるあたりでは軽い頭痛や眠気、あくびが始まります。これが やがて頭がいたい、気持ち悪い、という症状になり、重くなってくると嘔吐を経て、 末期には脳水腫や肺水腫、一時的失明などから死に至ることもあります。 高山病にかかった場合、高度を下げるとてきめんに回復します。

高山病は、富士山に登ろうという人にとって、常に頭を悩ませる問題です。なぜ 頭を悩ませるかというと、以下の2つの点が厄介なのです。

1)なる人はなる。ならない人はまったくならない
2)こればっかりはトレーニングする方法がない

でもって、富士山で敗退する人の、結構おおきな割合を占めているのが高山病です。
で、本当に2)の方法がないかというと、全然ないわけではないのですが、富士山に 登るより大変な思いをしないといけなかったり、それなりにお金がかかったりするの でとりあえずは書きません。2度も3度も高山病で富士山敗退していて、わらにもす がるつもりであれば直接メールで問い合わせてください。

まず1つ、約束してください。
高山病がひどくなって、吐き始めたら、かならず下山してください。ある書籍からの 孫引きなのですが、富士山で高山病で亡くなる人は、10年で30人。だそうです。 僕は富士山で高山病で死んだなんて話は1度も聞いたことないし、この10年が何年 前の10年なのかもわかりませんけど、とにかくこう書かれている書物がある以上、 僕はどこかで線引きをしないといけない。高山病の軽症と重症をわける重要な一線は 嘔吐だろうと思います。だから、嘔吐がはじまったら、もうやめとけ。生きて帰って こそ次の登頂のチャンスもある。山は逃げないから。

高山病のしくみはまだ完全に解明されたわけではありませんが、体内の酸素不足が高 山病の1つの要因であることは間違いないだろうといわれています。それから、体を 高いところに慣らしてしまえば、相当高いところでも平気でいられることもわかって います。
ここからはだいたい他の富士山サイトと同じことになるのですが、

1)寝不足のまま登らない
2)5合目についたら、いきなり登り始めずにしばらく(1時間程度)5合目に滞在する
3)登山口を出発する前に軽い準備運動をする
4)設定されている標準コースタイムより早いペースでは登らない
5)水分を多めに摂る
6)呼吸法
7)リラックスして登ること

で、1)は相当効くんで、(東京くらいならいいですけど、遠方の人は)本当は深夜 バスとかで直接乗り込んだりしないで、麓で一晩滞在するようなスケジュールにする といいのですが。
2)は、僕はおまじないだと思っています。別の人も、5合目で高度順化しなくても あまり登頂率は変わらないと証言しています。
いい状態で登山口に入れたら、本当に効くのは5)6)だと思います

あと、7)なのですが、僕の手元のバイブルにはこう書いてあります。「神経質な人は 高山病にかかりやすく、反対に、細かいことにこだわらず、のんびりしている人は高山 病にかかりにくい、とよく言われる」
まあ、そういうことなので、リラックスしておでかけください。

逆に、軽い頭痛、眠気、あくび程度の症状は、たいていは出るものですから、「出る ものだ」と思ってあきらめてください。この段階であれば心配する必要はありません し、高山病は気の持ちようによって大きく左右されるそうですから、心配することに より症状がひどくなる可能性も、なきにしもあらずです。
体水量が少ないと高山病はひどくなるようですので、こまめに水を取ることもポイン トの1つです。
酸素摂取能力の高い人は比較的高山病にはかかりにくいと思いますから、事前のトレー ニングは有酸素系が効果的と思います。


で…

魔の時間があります。それは、1日目小屋について、寝ますよね。で、寝て起きて、 翌日歩き始めて1時間後。
起きて、歩いているときは体が積極的に酸素を取り入れるように呼吸数も増える。た いていは意識して深呼吸する。でも、寝てしまうと自発的な呼吸数のコントロールは できなくなり、なおかつ呼吸数は減る。これが高山病のひきがねになる。

これも経験則しかないのですが、経験的にある程度有効と考えられる方法があります。 それは、小屋についたらいきなり寝ないで、小屋前で軽い運動や散歩をして小屋の高 さに体を慣らしてから寝ること。そして、翌朝出発前に準備体操をして体の中に酸素 を取り込む準備をすること。


さて、僕の場合ですけど、僕は今富士山に登っても、ほとんど高山病の症状らしい症 状は出ません。まれに軽い頭痛を感じることはありますが、山頂で走ったところで、 気持ち悪いとか、まして嘔吐なんていう状態はちょっと考えられません。しかし、そ んな僕も、ここ数年の話です。頭痛と気持ち悪いのが出たことがあるんです。それは 北岳での話なのですが、場所は標高2880m。このときは、寝不足の状態で35kg 近い荷物を背負って(休憩を含めなければ)コースタイムとほぼ同じ位の時間で一気 に標高差1700m上がったあとで、疲れていたのでテントを張るなりいきなり睡眠 に入ってしまったのでした。夕方起きたとき、ちょっと気持ち悪かった。何が悪かっ たのかは、説明せずともわかると思います。そのまま再度寝して、翌日は高度に慣れ たので気持ちよく歩けましたので、小屋へ入って軽く気持ち悪さを感じたくらいなら 別に下山する必要はないでしょう。ただ、酸素が薄いので疲労は回復しづらい。小屋 泊まりでもできるだけ体力を温存することが肝要です。

もう1つ、意外と見逃せないのが、天気です。低気圧が近づいてきているときは、同 じ標高でも気圧が下がるのでより高山病の症状は重くなる。高気圧が近づいてきてい るときは、気圧が上がるから症状も軽い。小屋の人も低気圧が近づいてくると調子が 悪いこともあるそうです。低気圧のときは大抵山の天気も崩れます。初心者の方は、 できるだけ低気圧のときには登らないほうが賢明でしょう。


最後に、

よもやそんな人はいないだろうと思いますが、風邪ひいてるときは登らないでくださ い。気管系の病気は高度の影響を大きくうけますし、肺炎になって3000mで生きるか 死ぬかの状態の人が、ヘリで下界に下ろされたら普通に立って歩けた。こんな元気な 人間を救急でかつぎこんで医者に文句言われるからお前病院入るまで苦しんだふりし てろとか、その位気管の病気は高度の影響受けます。風邪をおしての登頂は自殺行為 です。

写真
やったぞ!富士は日本一の山

★頭痛薬で症状をおさえるのは危険かもしれない

頭痛薬、風邪薬などを使うと、高山病の、とくに頭痛などの症状をおさえこむことがで きます。ですが、それで高山病が治るわけではない。頭痛の症状をおさえこんだ。次は 嘔吐。その次は意識不明。その先に待っているのは。
おまじない代わりに頭痛薬を持っていってもいいと思うんですけど、乱用するのは危険 かもしれません。
特に高山病の症状が出ているのに頭痛薬飲んで就寝、なんてのはかなり危険だと思いま す。頭痛薬を飲んだときは、もう下山するときだと覚悟を決めることです。

★八合目の小屋へ入った時点で本格的に調子が悪い場合

八合目で本格的に調子が悪いようだと、もう山頂は基本的に無理と考えた方がいいと思 います。 それでも、いけるところまでいく、という人。 ほんとお気をつけください。もう寝るのは諦めることです(寝ると呼吸が浅くなるため) 椅子に座った姿勢で(寝た姿勢では呼吸が浅くなるため)一晩深呼吸を続けると、多少快 復する場合がある、とは言われています。だけど…

★本当にトレーニング方法はないのか

僕の手元にある「登山の運動生理学百科」という本には、以下のようなことが書いてある。
いわく、
「図〜は、高所に行ったときに高山病が起こりやすい人(A群)とそうでない人(B群) を対象に、〜調べたものである。(略)つまり、高所で換気量が増えにくい人は、高山 病にかかりやすいのである。このような人が高所に行ったときには、特に意識して「正 しい呼吸法」を行う必要がある。高所で意識的な呼吸法を行うと、登山能力が向上した り、高山病を予防・改善できるということは、古くから知られていた」
つまり、高山病の、決定的な対処法である「高度順化」は、それほど簡単にできること ではないが、別の方法=呼吸法の練習、によって、高山病はかなり防ぐことができると 言っていいと思います。呼吸法の練習は、体力のトレーニングほどは時間はかかりませ ん。あさって登るつもりでも、今から練習して間に合うくらいのものです。

そのキーワードは、「深くゆっくりとした腹式呼吸−特に吐くことを重視する」とされ ています。ヨガ、水泳の類は有効ですが、とりあえず上述の本で紹介されているのは、 びん吹きというものです。水をいれたコップにストローを入れ、できるだけ長く泡を出 し続ける。だそうです。
苦しくなったら、というか、苦しくなる前に、しっかり吐くことを心がけてください。 僕が富士山で、「吸って〜吐いて〜もう1回吐いて〜」、って言うのは、別に笑いを取 るためにやってるのではないのです。

写真
河口湖から見た夜の富士山。山肌左上に光っているのは山小屋の光

★高山病になってしまったら


重度の場合は下山しかありません。これはどうにもなりません。従って、高山病になりにくいようなスケジュールで登るのが、基本的には1番です。

写真
富士宮口8合目付近から宝永山を見る

(2015.5.8 7:8)(by script)

(2015.5.8 9:1)(by script)




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