サイトマップ | 更新停止のご案内 | このサイトについて


   

ご来光待ち

富士山山頂の日の出前直前の気温は、だいたい2〜3度くらいまで下がります。ここ数 年は都会ではここまで気温が下がることは滅多になくなったので、だいたい冬の一番冷 え込んだいちばん寒い日を目安に考えてください。で、無風ということはまずありませ ん。そこで、30分ないし1時間(もしくはもっと)ぼーっとしてつったってるわけで す。
基本的な考えとしては、それに耐えられるだけの装備で臨めばいいわけなのですが、か といってやたらと装備を増やせば今度は荷物が重くなってしまう。
多分北海道の寒さ対策というのをどこかで1度くらいは耳にしたことがあると思います が、やたらと上から着こんでもダメで、まず下着をしっかりしないといけない。ところ が、下着をあまりしっかりしすぎてしまうと、今度は登山中に暑くて死んでしまいます。 このへんのバランスをとって1枚で済ますか、それとも登山中の下着とご来光待ちの下 着をかえてみるか、そのあたりが「ご来光待ち上級者」の勘所ではないかと思います。 それでは、どうぞ。

★「快適なご来光待ち」は、はなから考えない方がいい。

ご来光待ちの寒さ、はどこでも語られているので、たぶんここを訪問された方は、ご来光待ち=寒さとの戦いなんだ、ということはご存知と思います。
で、もう必死になってご来光待ちを快適に過ごすことに照準をあわせて、あれも持っていこう、これも持っていこう…ということになると、戦車になってしまう。重さにめげて、山頂までたどりつけなかったりしたら目もあてられません。

ご来光待ちはもう「寒いもの」と思って、ある程度寒さに耐えながら待つもの、と思ってください。その中で、「最小限の装備で」、できる限りの快適さを確保する方法を考えていきたいと思います。

★基本的な考え方としては、「空気をためこむこと」と、「風をさえぎること」



ご来光待ちの寒さは、気温が低いことにも原因がありますが、もう1つの原因としては下界より強い風によるところも大きいので、空気をためこむことと同時に、風よけも必要です。
まず、服装なのですが、アンダー、(空気をためこむ)中間層、(風をさえぎる)アウター、の3つで考えます。だいたい僕の場合ですと、下着は行動するとき と兼用なので薄手のもの。で、長袖のシャツ。中間層がフリース、アウターが雨具、ということになります。あと、ご来光待ちの人は帽子と手袋を忘れちゃダメ だよ。帽子は服1枚分くらい効くからね。

で、防水透湿性素材の雨具というのは意外と風を通します。(防水透湿性素材というのは、要するに水を通さず空気を通す素材なので、性能が高いほど空気も通 しやすいものです。それに、性能の高い雨具ほど中の空気が外へ出ていきやすい=行動中ムレないようなカッティングに作られているので、保温性に関してはあ まり高くないのです)
ですので、この外側を1枚覆って風よけを作ってあげると、また温かさが変わると思います。方法としてはいろんな方法があるのですが、

何度も富士山に通っている人はツェルトという簡易テントを使って風避けにしている人もいます。なのですが、これはけっこうな値段がする(1万円以下で買う のはちょっと難しい)のでほんとに何度も通っていたり、富士山以外のいろんな山(それも、高い山や秋口、冬など厳しい季節の山)に登ってみたい、という人 向け、ということになります。
写真
ツェルト。これは張ったところの写真なのですが、富士山の場合張ることは法律上できないことになっているので基本的には張らずにくるまることになります。


では、もうちょっと別のものがないか。その場合、レジャーシートを使うという手があります。多分手元に1枚くらいはあるでしょうし、重さを別にすればまあまあおすすめです。2、3人でくるまればけっこうあったかいと思います。
写真
これもよそから写真を流用したので張ったところですが、張るようなところはないのでくるまってください。


レジャーシートは持ってないので新たに購入したい、もしくは、重いからやっぱり専用品がいいかな、という具合に考えている人は、これです。エマージェン シーブランケット、もしくはビバークシート、といいますが、アルミでできた毛布があります。使い捨てなのが唯一の欠点なのですが、重量は50gくらいしか ないのでレジャーシートの比ではありません。アウトドアの店や登山の店で500円〜1000円くらいで買えます。
写真

いずれのものも、空気の出入りができるだけ少なくなるように、なおかつ空気をためこむように使うのがポイントです。

★ご来光待ちなら、登山用の下着を買って損はない

山頂へ向かっている間、上へ向かって歩いて運動しているときは、夜中でもさほど寒さ を感じないと思います。ところが、ご来光待ちのために立ち止まれば、運動による発熱 がなくなるから急速に冷えてくる。そして、もう1つ、体を冷やす要素があります。そ れは、自身の汗で濡れた肌着。ご来光待ちの時間でいちばん辛いのは、汗で濡れた服が 体を冷やしてしまうことなのです。

とりあえず、図を作りました。

写真
下着が綿の状態が1)です。体から出た汗(水色の矢印)は、下着が全部吸ってしまう ので非常に冷たい思いをします。汗の蒸気は雨具まで届かないので、いくらいい雨具を 着ていても価値はありません。僕が富士登山にゴアテックスの雨具がもったいない、と 主張するのは、このあたりに源流を発しています。

本来、3)のように下着から雨具まで全部登山仕様であれば、汗の蒸気はほとんど着て いるものを通して出ていってしまいます。こまめに脱ぎ着して、あまり汗をかかないよ うに調節してさえいれば、ご来光待ちでも冷えることはありません。でも、上から下ま で登山用品でそろえると、まあ、着るものだけで10万円でしょう。下着だけなら1万 円まではしない。下着だけの状態が2)。とりあえず下着は汗を放出するから、下着が 綿のときよりは、ずっと快適です。
登山用の下着だから、下界で使っても暖かい。登山に使ったあとも、冬場は結構重宝し てくれると思うんで…まあ、そこまで考えれば高い買い物ではないと思うよ。スキーと かスノボーやる人には絶対おすすめできる。

写真
登山用下着 上が5千円、下が5千円くらい。夏の富士山なら上だけでいいと思います。厚さがいろいろあるのですが、厚手のものは冬場の富士登山などに対応するものなので、薄手のものか、寒がりな人でも中厚くらいにしておいた方がいいでしょう。

写真
噴火口の様子 6月

★登山用の下着を買わないのであれば、山頂についたらトイレにかけこめ

うーんでもやっぱり下着高いし、見送りかな、という人は、山頂についたらトイレにか けこんでください。
何をするかというと、小用をするのではない。着替えるのである。下着を乾いたものに かえるのである。あらかじめ、ビニール袋に包んで濡れないようにした下着をザックに 入れておいて、それに着替えれば山頂についた時点で下着は乾いている。汗で冷えるこ とはなくなります。
でも、いずれにしてもできるだけ服は濡らさないようにした方がいい。山頂付近で渋滞 につかまったりしたらさ、思うように進めなくて山頂につく前に体が冷えてしまうから。 背中にタオルとか入れておくと、ずいぶん違うと思います。

ご来光待ちが小屋の前でお茶か何か片手に待てるような場合とか、もしくはご来光待ちはない、というのであれば、こちらの方法で十分だと思います。もしお持ちなら、一番下がユニクロのドライTシャツだったりすると歩いているときも比較的快適かもしれません。

写真
高尾山からの富士山 2月

(2015.5.8 7:9)(by script)

(2015.5.8 9:1)(by script)




更新)


mixiチェック

mailto:mailaddress

tozan.net - http://tozan.net