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富士山で歩く

★ペースはとにかくゆっくり。1時間程度は休憩を入れない

学術的に正確ではないですが、体には「運動モード」と「安静モード」があって、運動をする/安静にすることによって、このモードが切り替わる、と考えてください。

車で5合目にきたときは、体は「安静モード」なので、まだカラダは運動をする準備ができていません。この状態でいきなり激しい運動をすると体がついていかないので余計に疲れてしまいます。従って、まず「運動モード」に入るまではおとなしくしていないといけない。
軽く準備運動をすればスムーズに「運動モード」に切り替わりますが、必ずしも準備運動は必要ではありません。歩き出してだいたい15分〜20分位歩きつづけたところでモードが変わるので、ここまではおとなしく自分の足と大地の感触を確かめるように歩こう。ペースを上げるのは運動モードに切り替わってからだ。で、調子があがってきて、やや疲れたな、と感じるのが、だいたい1時間後ですので、このへんで軽く休憩を入れてあげます。

15分位歩いたところで一端辛さを感じるとおもいますが、この時点で休憩を入れてしまうといつまでたっても安静モードなので、結果的に辛い時期が長くなってしまいます。

だいたい5〜7合目にいる人は、結構速いペースで快調に行くので、どうしてもひきずられがちです。しかし、彼らは大抵7合目より上では座り込み、8合目あたりでひきかえしてくる組です。片っ端から追い越されても心配は要りません。そのくらいが適正なペースです。彼らのペースで歩きつづけたら4時間で山頂へ行ってしまいます。

で、長時間休憩を取ると、再びカラダは運動モードから安静モードに戻ってしまいますので、再度動き出したとき辛いんですね。従って、休憩は長くても5分程度にとどめて歩き出すのが理想です。もし、仮眠や食事などで長時間の休憩をとった場合には、再度歩きはじめはゆっくりにしてあげて、体が「運動モード」に切り替わるまではおとなしくゆっくり歩くと良いと思います。

★あまり足は高く持ち上げない

靴を履いた足を、行進するがごとく高く上げてあるく人はいないでしょうけれども、足を上げれば上げるだけ体力は消耗されていくので、地面が水平ならほとんど摺り足に近いくらい、できるだけ足をあげないようにします。
ただ、段差がある場所では、あまり足を上げないでいると躓いたりするので、このへんの足の上げる加減はほんとうは難しいのです。躓くと加速度的に体力を消耗するので、危ないと思ったところは、少し高めに足をあげてやった方がいいでしょう。いずれにせよ、あまり高く足を上げないのがセオリーです。

★歩幅は小さめにする

1歩の歩幅は、足の裏の、親指からかかとまでの長さとほぼ同じ位か、もう少し広いくらいが目安。1歩で持ち上げる高さは、小さいほうが結果的に楽なので、あまり歩幅が広いと疲れてしまいます。とくに普段歩くのと同じような歩幅で歩いたら、あっという間に疲れてしまいますので、登山の歩き方になれていない人は、意識して歩幅を小さくするようにしたほうがいいでしょう。

歩幅が 歩幅が広い・・・Bad!
歩幅が 歩幅が狭い・・・Good!

★筋力は絶対に使わない

ちょっと日本語としておかしいですが(笑)どういうことかというと、富士山には30cmくらいのちょっとした段差が出てきます。これを、いきなりこの段差の上に足を置いて、エイヤッって体を持ち上げては、いけない。どういうことかというと、15cmづつ2歩で持ち上げれば、30cmを一気に持ち上げるときの半分の力(注:学問的に正確ではない)で済むのです。力任せに登るのではなく、できるだけ段差の小さいところを選ぶ、ということだ。

★高さは歩数で稼ぐ

ちょっと切れる人なら、僕が同じことを言い回しをかえて何度も言っているだけであることにお気づきだと思いますが、どういうことかというと、カーブがありますよね。内側を通れば距離は短いけれども、1歩で持ち上げる高さは大きくなります。外側を通ると距離は長いけれど1歩で持ち上げる高さは小さくなる。上のように、エネルギー消費は30cm×1>15cm×2なので、できるだけ外側を回って、歩数で高さを稼いでいくほうが結果的に楽なのです。

★山では猫のように歩け

と言った有名な登山家がおります。やたら乱暴にドシンドシンやったら、膝へ衝撃がかかります。ずり落ちるのも構わず力任せに登っていったら、その分余計に登らなければなりません。無神経な足の置き方をしてバランスを崩し、筋力でリカバリーしたら、加速度的に筋力を消費していきます。リカバリーできなければ転んで怪我をするか、無傷でも立ち上がらなければなりません。足運びはそーっと静かに、そして、できるだけ音をたてないよう、丁寧にするのがポイントです。

★7合目までは、とにかく体力を温存すること。

6合目より下で私たちよりペースが速かった人たちは、6合目を過ぎると私たちにことごとく追い越されて、私たちが7合目で寝ていると息も絶え絶えに上がってきます。そして、本7合あたりで道端にへばりこんでいます。折り返しを過ぎたあたりでこのような状況では、もはや登頂は無理でしょう。9合より上だと、7合目で1泊した人でさえそうなのです。とにかく、ペースよりもまず体力を温存することを心がけること。ペースが2倍になると、体力の消耗度合いは2の二乗倍になると考えてください。(逆はまた真ではないのですが、詳しいことは学問の領域になるので省きます)むしろ、そんなペースで登頂できるの?というくらいのペースが適正なペースですし、コースタイムもその位のペースで歩いた数字になっています。
有酸素運動と無酸素運動、というのがあって、運動が激しくなってくると摂取する酸素の量がエネルギーの燃焼に追いつかなくなって、無酸素運動に変わるのですが、登山中に無酸素運動の領域に入ってしまうと絶望的です。と、いうのも、無酸素運動の結果として筋肉疲労を起こす物質ができあがるからです。ですから、心拍数を目安にして、絶対に無酸素運動の領域に入れないようにしないと、後半足が上がらなくなってしまいます。
実は、有酸素運動と無酸素運動の分水嶺となる心拍数の計算式があるのですが、ここでは紹介しませんって、知らないだけです。
通常、およそ登り始めて、15分位経過すると、一番苦しい時間がやってきて、それを乗り切ると楽になります。長時間の休憩を取ると、これがまた最初に戻ってしまいますから、再び動き始めると苦しいわけです。ですから、休憩は3分〜長くとも5分くらいで、回数を増やしたほうが良いように思います。具体的には、山慣れない人であれば1時間に1回程度が目安でしょう。後半はこれが30分に1回になります。ある程度歩いている人(はこんな文章読まないとは思いますが)であれば、2時間に1回でも大丈夫です。

★歩き方にもコツがある

足は、多少爪先を開いて置いて、砂を押さえるように斜面に対して垂直方向に体重を乗せるようにします。片方の足に完全に体重が乗ったら、こんどは次の足をもちあげて・・・を、くりかえします。持ち上げる高さは極力小さくするのは言うまでおありません。普通のウォーキングの歩き方(かかとから先に地面について、つま先で蹴る方法)で登ると、爪先はむなしく空を蹴り、推進力にはつながりません。また、次の足が安定する前に体重がかかりはじめるため、足の置き場が悪いと(たとえば足をくじきそうになったとき)反射的にリカバリーをして、これがものすごいエネルギーの消耗につながります。また、火山性の崩れやすい富士山の斜面では、力をかけた瞬間にずり落ちてしまいますが、1歩2cm下がるとすると、山頂まで約2万歩ですから、400mも余計に登らなければなりません。
角度の急なところでまっすぐ足を置くとかなり足首の筋肉が苦しいですから、(登る前に柔軟運動をしておくのもよいですが)爪先を開いて、足首に負担をかけないようにします。
7合目以上ではときどき出てくるのですが、もっと滑りやすいブル道になると、今度は爪先の開き具合を45度以上にして、靴の横を砂に対して蹴り込む、というか、足場を作ってあげます。(面圧、といいますが、一定の面積に対してできるだけ体重を分散させてあげたほうが、一個所に力がかからないので崩れやすい斜面も崩れにくいのです)
砂走りは向き不向きがあります。うまい人は猛烈に速いが、苦労する人は見るのもいや、らしいです。どうしても相性があわなければブル道のほうを歩けばよいのですが、まずかかとでのっかって、ずるずるずるってしたら今度は足首を延ばして爪先を地面につけます。そうすると爪先が地面にもぐって足が止まるので、今度は反対のかかとをつければよいのです。注意するのは、下が硬い場所ではまったく滑らないのと、大きい石に無造作に乗るとつまづいてしまうので、よく足元をたしかめてずるずるさせる点、それから、片足が滑っているうちに反対の足を出さない点です。

★本8合から先はペースが落ちて普通。

がんばらなくちゃ、とかこんなはずではない、とかいって、無理してペースをあげても、むなしく体力を消耗していくだけ。本8合から先ペースが落ちるのは、あなたの疲れが原因なのではなく、はっきりとした「訳」があるのです。それは− 1.斜面が砂礫に変わり歩きづらくなる 2.斜度が急になる 3.酸素濃度がの低下が、行動体力に及ぼす影響が自覚できるほど大きくなる−だから、ペースは自分の「歩行速度」ではなく、「心拍数」を目安にするとよいかと思います。酸素が薄くなってくると、心拍数が自然に上がるものなので、5〜6合目の心拍数より若干高めの心拍数になる程度の歩行速度にします。そして、苦しくなったら、しっかり息を吐くこと。吐いてしまえば、自然に息は入ってきます。


(2015.5.8 7:7)(by script)

(2015.5.8 9:1)(by script)




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