サイトマップ | 更新停止のご案内 | このサイトについて


   

アイゼン

必要度
残雪期や積雪期などでなければ基本的に必要はない。本格的にアイゼンを活用する山行はこのサイトの対象外
道具選びの重要性 ★★
あまり選択の余地はない。爪の本数と装着方法(バンド式かワンタッチ式)か位。靴と相性があるので選ぶときは必ず靴を持参
この道具が必要な山行 残雪期や積雪期で積雪がある山行。ないしは北岳や針ノ木、白馬などの大きな雪渓がある山へ行く場合。
予算 1万円〜1万5千円程度。6本爪でよければ7千円くらい。

アイゼン、もしくはクランポンという言い方もします。雪、というか、氷に近い状況も考えられますが、靴のままでは滑ってしまうような状況で使用します。山によっては5月などの残雪期でも雨が降ったり、夜半に冷え込んだりした場合、かなり氷に近い状況になることがあります。また、夏の雪渓でも有効ですし、キックステップ(つまさきを雪に蹴り込んで登る。逆にかかとを蹴って下るのはヒールカット)が効くような斜面でも、ツボ足(足を置くと、下まで潜ってしまう状態)にならない位締まっている場合には、そのまま登っていけるのでアイゼンを使うと有利です。
逆に、雪(もしくは氷)がなければ、まったく無意味。持っているだけ無駄です。

写真 靴の下についているのがアイゼン。ちょっと紐がねじれているように写ってますが、写真撮りのためにてきとーに締めたものなので、本当に使うときはちゃんと締めてください。
写真のものはバンド式ですが、ワンタッチ式のものもあります。
爪の本数によって、4本爪、6本爪、8本爪、10本爪、12本爪、14本爪、と、いろいろ種類があり、爪の数の多いほうが重い代わり爪が多い方が安定するので長時間歩いても疲れにくい。

(アイゼン選び)

アイゼンは、靴と組み合わせるものですので、靴との相性が出やすいものです。前後の調節は比較的簡単なのですが、幅の広い靴には幅の広いアイゼンが適合します。僕はアイゼンの大きさで失敗したことはないし、靴をかえてもそのまま使えていますが、アイゼンを選ぶときは必ず今使っている自分の靴をお店に持っていかれるといいと思います。
もし、これから本格的に冬山に取り組まれる場合で、靴とアイゼンと両方選ばれるつもりであれば、まず最初に靴を決めてからアイゼンを決めるようにしてください。

(爪の本数)

売られているアイゼンの爪の本数はいろいろあるんですけど、僕は「6本」と「10〜12本」の、どちらかを選ばれるのがまず間違いないと思います。で、どちらがいいか。これは、入山する山のグレード別になると思います。たとえば冬場奥多摩や丹沢あたりでスノーハイキングをする、北八ヶ岳の天狗岳あたりが精一杯、GWの蝶ヶ岳常念岳甲武信岳金峰山、ないしは夏の雪渓を登る程度のであれば、大抵6本で十分です。南八ヶ岳(赤岳とかね)あたりへ行こうとなると、どうしても前爪つきのもの(男性であれば12本、女性であれば12本か、少し足が小さくなるので10本でもいいと思います)が必要になる。

したがって、八つやアルプス(一応残雪期も含め)へは今後一切行かない、となれば6本、少しでも行く可能性があれば12本にするのがよいのではないかとおもいます。
ただ、アイゼン自体はかなり重いものですので、山行によってアイゼンの爪の数を使い分けるのもありと思います。そういう意味では最初は6本のものを選ぶというのも1つの手ではあるでしょう。

4〜5本のごく小さいアイゼンは、あくまでも夏の雪渓などを上がるための非常用のものなので、せいぜい白馬の大雪渓くらいしか行かないよ、という人でもない限りはおすすめしづらいと思います。冬場の山歩きには適合しない、と考えた方がいいでしょう。靴の真中にしか爪がありませんから、ちゃんとフラットに地面が踏めないとすぐ滑ってしまいますし、地形の都合上フラットに踏めない(岩と雪のミックスルートでちょうど真中がへこんでいたり、もしくは斜度が急でまっすぐ置くのが難しかったりするところは、1000mくらいの山でも結構出てくると思います)ところではアイゼンの効果もありません。

(前爪ありのものか、前爪なしのものか)

軽いスノーハイキングに前爪なしのものが推奨される理由として、一般に「前爪があるとひっかけやすい」という言い方をされることが多いとおもいます。でも、実際にひっかける爪は前爪ではありません。九分九厘インサイド側の爪です。
前爪ありかなしかで迷ったら、絶対に前爪ありがおすすめです。あっても邪魔になるものではないし、実際8本爪以上のアイゼンを選ぶ人だと遅かれ早かれ5月あたりに涸沢カールあたりで出会うことになると思いますので、そういう意味でいえばはじめからしっかりしたアイゼンの方が長く使えると思います。
(よほど使い込まなければそうそう減るものでもないし、そういう意味でアイゼンはどちらかといえば一生モノに限りなく近いと思います・・・僕ももうこのアイゼン9年目だし、僕の歩き方が足りないだけなのかな?)

少なくとも(僕を含めて)前爪なしのアイゼンを購入して失敗している人は大勢いますが、前爪ありのアイゼンを購入して失敗している人はほとんどいないのではないかと思います。

(バンド式か、ワンタッチ式か セミワンタッチ式か)

最近はプラブーツが流行らなくなったせいもあって、(フル)ワンタッチ式のアイゼンを見ることは少なくなったように思います。

この記事を見ている人も、選択肢はバンド式か、セミワンタッチ式か、になると思います

靴がセミワンタッチ式に対応していない靴の場合、もう選択肢はバンド式しかありません。

靴がセミワンタッチ式に対応している靴の場合、装着が速いのはセミワンタッチ式だと思うのですが、一般的にバンド式の方が少し軽く、トラブルも少ないと思います。どちらがいいか、と言われると、そうですねえ…という具合になってしまいます。僕はセミワンタッチ式のものを使っていますし、僕のお友達もセミワンタッチ式の方を選んだのですが、僕、どちらを選ばれてもいいとおもうんですよ。バンド式にしても、セミワンタッチ式にしても、結局装着するときはザックをおろして座り込まないと装着できない。それから比べると、バンド式とセミワンタッチ式の手間の違いはさほど大きくはないと思うんです。

写真 (2)前爪は非常に便利なので、僕ははじめてアイゼンを買う人にも、前爪があるものをおすすめしたいです。よく前爪をひっかけることがある、といいますが、前爪よりも、後ろ(というか内側)の爪をひっかけることの方がずっと多いし、逆に残雪期の金峰山位でも、前爪がないと登るのが困難な状況になることもあります。ただ、氷壁登攀用の前爪が極端に長いものは、最初の1本としてはおすすめしづらいと思います。


(3)アンチスノープレートのついたものは、残雪期の湿雪がアイゼン裏にくっついてダンゴになるのを防いでくれますが、その分重くなります。はじめは残雪期のベタベタ雪の上を歩くことが多いと思いますので、最初の1本はプレート付のものの方がいいでしょう。ついていないアイゼンを使う場合は残雪期にはこまめにピッケルで雪を叩き落すこと。もちろん氷の上を歩くときは関係ない話です。

(4)アイゼンを選ぶとき、この爪を見て欲しいのですが、ツァッケ(爪)が大きく前を向いているものは氷壁登攀用のアイゼンなので、縦走派の人は爪が写真のもの位下を向いているものを選ぶと良いと思います。

(アイゼン使用の練習)

山岳部なんかでは、アイゼンは、きちんと練習をしてはじめて使わせてもらえるものでした。今は、安直に雪山に入ってしまう人が多いようですが、やはり、「刃物」だけに、独学でやるにしても、ある程度理論を知った上で、その上、ある程度慣れも必要です。
行くからにはピークハントしたい、という、気持ちはわかりますが、最初の1日は、ある程度雪の上を歩いたりして、アイゼンを使う感覚を練習されると良いでしょう。
私のほうでは、簡単にしか触れません。雪山に入るには、少なくとも基本書を2〜3冊読む必要があります。私の出る幕ではありません。夏の雪渓なら、下のようなことを覚えておけば十分でしょう。

(1)アイゼンをつけて歩くときは、基本的にベタ足。トラバース(斜面を横切ること)するときも、足首をつかって斜度に合わせて足をおく。上へ向かうときで、斜度がきついときは足先をひろげて置く。それでも置けない角度の場合には、アイゼンの前爪を雪面に蹴り込んで立つ。
(2)アイゼンをつけると、靴の高さがそれだけあがる、と考える。要するに、爪の長さ分だけ余計に足をあげるように気をつけなければならない。足の上げ方が足りないと、雪面にひっかかって転倒の原因となる。
(3)アイゼンをズボンなどにひっかけないよう注意する必要がある。具体的には、まっすぐ足を前に出すのではなく、やや外側をまわすようにして足を前へ運ぶ。
(4)外して持ち歩くときは、手に持ったままにしない。万一転倒した場合、爪があなたの体を襲うかもしれません。
(5)小屋の中へ入るときや、トイレを使うときは、必ずアイゼンを外す。とくに床が板になっているところは、アイゼンで穴をあけてしまうとそこから木の内側に水分が浸透してあっという間に腐ってしまいます。とにかく小屋の仕事というのは金銭に見合わない位多いものなので、雲上の工作物は大事に扱いたいものです。木道や木の階段も右に同じで、できる限りアイゼンなしで歩くか、避けて通るかしてあげたい。
(6)テント泊の場合は、テントの前にピッケルを差して、そこにひっかけておきます。そこらへんに適当に投げておくと、翌日アイゼンが雪の下になってみつからないかもしれません。ちなみに、バンドが凍りそうだと思ったら、テント内に入れた方がいいそうです。
(7)アイゼンをつけたときは特になのですが、前の人が突然転倒しても怪我をしない位離れてあるいてください。初心者はバンドに爪をひっかけて何でもないところで転倒することもあるので、特に初心者を連れていくときはリーチの範囲には近づかないようにした方が安全です。

(アイゼンの収納)

写真 アイゼンを収納するときは、左の写真のように、爪を内側に向けて収納する。反対むきにしまうと、スタッフバッグに穴をあけることになります。
スタッフバッグは、アイゼン用のものを使用します。薄手のものを使用するとスタッフバッグに穴があいてしまいます。カジタの場合専用の(比較的軽い、言い方を変えるとちゃちな)スタッフバッグがついていて、僕はこれが気に入っています。専用品だからサイズもピッタリ。シャルレとかグリベルのものではスタッフバッグがついていませんので、アイゼンケースを別途購入になります(が、こういったアイゼンケースはつくりがしっかりしている分どうしても重くなりがちです)
(ということで、はじめの1本のアイゼンとしては、僕はカジタのベーシックなアイゼンが割と安上がりでいいのでは、という気がします)

(ツァッケの手入れ)

当然ですが、爪が減ってくると硬い氷には刺さらなくなってきます。冬場はなんとか誤魔化せても、雨が降ったあとに冷え込んだりすると樹林帯の中でもガチガチになってしまうことがあるんですね。で、当然ですが、そういう所では磨り減ったアイゼンは効きません。できるだけ岩や土の上をアイゼンで歩かないようにするのも大事なのですが、減っていないかどうかよく確認して、減っていたらヤスリで尖らせてあげるようにします。

写真

(2015.5.7 14:1)(by script)




更新)


mixiチェック

mailto:mailaddress

tozan.net - http://tozan.net