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写真家の山頂


駿河湾から撮っている富士山のライブカメラをよく見ています。 ご存知の通り、夏場はどうしても視界が良くないので、ほとんど 富士山の姿を見ることはできません。

その日は夏としては稀にみる好天で富士山がすっきりと写って います。写真が撮りたくなったので、カメラを持って富士山を ぶらぶらして、夕方の一番光線具合のよくなる時間を狙って、 夕日に染まる富士山を撮りに明神山に登ってきました。山中湖 のすぐ近くにある、三国峠から20分で登頂できる、山という よりは丘に近いところです。

山中湖から三国峠へののぼりはちょっとした富士山スポットに なっていて、中判大判のカメラを持った人達が路上に車を並べ て日没を待っています。ここまでは別にどうということはあり ません。僕は、あくまでも「山>写真」、なので、写真の方よ りもとりあえずピークを踏むことの方がだいじ。三国峠の小さ な駐車場に車を止めて明神山への、まさに「道なき道」を登っ ていきます。

あまり人が入っていないせいか、非常にヤブが深いところです が、山頂は最高の場所です。西日に輝く山中湖。富士山。太陽。 富士山の裾の広がり。そして、輝くススキ。写真を撮るために あるようなその雄大な眺め。そして、いつまでも僕は日の暮れ ゆく様を眺めていました。

そんな山頂も、周囲一帯をロープで囲まれて、植生回復中につ き立ち入り禁止、と書かれた立て札がいくつもあります。悲し い里山の定め。自然破壊の爪跡なのか。

そこへ、カメラを持った人がやってきます。彼は無言で何の躊 躇もなくロープの中へ入って、三脚を立てました。何故、植生 が回復されなければならないのか、今はっきりとわかりました。

全ての写真家がそうだ、とは思いたくありませんが、所詮写真 は写真です。ルールと自然は守られるべきでしょう。

ロープの外に生えている草の周りすら避けて三脚を立てていた 僕は、まだ6カット残っているフィルムを取り終えずにさっさ と下山してきました。僕のフィルムには、輝くススキと富士山 の対比。きっと最高の1枚が収まっています。見る目さえあれ ば、ロープをこえなくてもいい写真が撮れる場所です。

僕のいでたちも小さなザックに似合わない大型三脚と中判カメ ラ。はたから見れば彼らの同類です。

(2000.9.4)

(2015.5.7 13:11)(by script)




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