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ゴミ

今年も例に漏れず南アルプスへ行ってきました。ほんと南はいいですね。 大好きです。北と比べると少し未開ですし、人も少ない。主稜線は踏み 跡もはっきりしていて危険も少なく、それでいてスケールは北と比べて はるかに大きい。岩ありお花畑あり、森林もあり変化に富んでいて、ど この水場もうまい。最高です。

さて、そんな南ですが、僕が今まで気づかなかっただけなのでしょうか。 最近、テント場などにゴミを置いていってしまう人が多いようなのです。 特に農鳥の水場あたりは酷いらしくて、ゴミは持ち帰りましょう(←こ ういう曖昧な表現をするところが日本人の悪い癖ですね。こんなの書か ずにいきなり逮捕があたりまえだと思うんですけど)などとかかれてい てかなりみっともない状況になっています。また、雪投沢にいたっては、 ゴミとトイレの問題で、すでに水場は使用不能なのだそうです。 南でさえそうなのですから、北や、まして木曽駒や北八つといったロー プウェイで簡単に入れる場所は、もっと酷い状況なのでしょう。

登山が大衆化するにあたって、こういった問題は避けてとおれない問題 で、山ヤというよりも、結局はゴミというものをどう処理していくか、 もっと言えば公共の場や自然に対するかかわり、という、下界も含めた 社会全体の問題でもあるわけですが、それにしてもこういった行為を行っ てしまう人が山ヤの中にもいる、ということは残念でなりません。しか も、こういった人の中には、最近は本来最もモラル高き大学の山岳部も 含まれるそうなのです。

一部の山小屋ではこういったゴミの放置対策として、登山者の持ち込ん だゴミを引き取るところも出てきているのですが、僕に言わせれば、何 故そんなゴミまでヘリでおろさなければならないのか、甚だ疑問に感じ ざるを得ません。もっこにくるんだ何百キロというゴミの山を1つの山 小屋から下ろすことは、僕は現状で自然に対して正常な負荷であるとは 思えないのです。

富士山の場合、清掃登山がずいぶんと盛んですけれども、僕はあれは即 刻やめるべきだと思います。清掃登山というのは、物事の本質をゆがめ てしまうものです。本来、持ち込んだものはすべて登山者が持ち帰るべ きであり、そのことを周知徹底させ、場合によっては国立公園内へのゴ ミの投棄は逮捕実刑やむなし、といった厳正な態度で臨むのが正統な方 法です。一切ゴミは捨てさせないことにより山を美化するのが正統な方 法であり、平然と投げ捨てられたものを、その後ろから全然関係ない人 が拾い集めてそこに存在する問題を隠蔽することは、僕は正統な方法だ とは全く思いません。

飴の包みや、ちょっとした袋の切れ端。落としてしまうこともあるでしょ う。僕はそういった過失は、十分注意すべき、としても、うっかり落と して気づかずそのままにしてしまうのは、これは悪気があるわけではな いので仕方ないと思うんです。清掃登山というのは、本来そういった登 山者が過失で落としてしまったゴミを拾い集めるものでしょう。そして、 良心的な登山者がそういった目についた小さなゴミを拾い集めることで、 僕は完全ではないにしても、概ねヒトが山の自然を守るシステムとして は、成立していくのではないかと思うのです。

しかし、故意においていったり、草の陰や、ひどい人になると岩の下に 隠したりされているゴミについて、一体どういった見解を持てというの でしょうか。こんなものは清掃登山で回収するものではない。


すでに、多くの山に登山道がついて山小屋ができた現状では、登頂自体 は珍しいものではありません。その登山の価値を決定するものは、登頂 自体ではなく、その質であると、僕は思います。

いかに立派な山に登ろうとも、そこにゴミを捨ててきた。そんな山行を 真の登頂として認められるであろうか。

一昔前であれば、日本人は働いてばかりいて自然とかかわることが少な かったから、という、意味不明な弁護をすることも可能でした。しかし、 もはや違う。先進国の仲間入りをして二十余年。我々は、自然とかかわっ ていると称しながら、実は自然の淵に立って自然を破壊し続けていただ けだった。ゴミの処理の仕方、トイレの問題1つとってみても、我々は ただ単に自然の表面だけを見て、本当に自然とかかわることに対して、 何ひとつ勉強せずに済ませてきただけだったのです。

山、というものは、自然の最も奥深い場所であり、自然の源流とも言う べき場所です。私たちはその、最も奥深い場所へ立ち入っているのです。 その場所を汚すということは、山に対する陵辱である以上に、自然の根 源を根こそぎ破壊しようとする行為にほかなりません。


何卒、このサイトの読者におきましては、持ち込んだものは必ず持ち帰 ることを徹底していただきたいと思います。僕もね。


(2015.5.7 13:11)(by script)




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